縁の綱

歌詞

春はいつ 笠に降らるる雪よりも つれなき人の冷たさを 六つの歌仙も詠みわびて やたけ心に恋すて

ふ かざすや金の簪の さす手ひく舟磯へも寄せず 沖にゆらゆら由良の戸の おつと取舵 合点ぢや えい

か ああ ようそろ のんこ 帆を捲き立ての舟歌は 丸に三つ引恋風や君に扇の替紋は 色の司を求め

ん手管 仲を隔つるませの菊 咲きしも憎や夕照に 顔は紅葉の恋の鬼 丹波大江の山よりも 勝る思ひ

や八雲立つ   出雲八重垣 妻籠は どこへ結ばん縁の綱

解説

作詞 由良求馬、作曲 峰崎勾当。 自分の定まらぬ恋の行方を海を彷徨う船に喩えながら、 最後に縁結びの出雲の神様に恋の成就を願って終わる 微妙な女心を詠った曲。