歌詞

花の色は うつりにけりな いたづらに これみよがしと 殿中で 互いに濡れし 袖扇(そでおうぎ) 顔

は檜扇(ひおうぎ) あこめせん なもいわもとの 宮代(みやしろ)に 口説(くぜ)つ扇の きれいせ

ん なかよざ扇 八重一重 千代の舞鶴 写し絵や 扇の数は 尽きせねど いつ花(か)開けば 天(あめ、

あま)が下 みな春なれや 万代の なおあん(祝わん)先祖 めでたけれ

解説

「花の色は うつりにけりな いたづらに 我が身世にふる ながめせしまに」(長雨に桜の花の色が移

ろうように、私自身もつまらない物思いにふけっているうちに美貌も衰えてしまった)という有名な詩の

上の句から始まり、宮中での艶やかな恋模様や泰平の世を窺わせる唄になっています。また色々な扇を紹

介し、目出度いという意味を込めた祝賀曲です。