寿

解説

春のはじめの景色が美しくうたわれ、好いた同志が一緒になった嬉しい心を舞う御祝儀曲である。夫婦の長寿・繁栄を願って結婚式での祝舞などで舞われることが多い。地唄の中でも「端唄もの」と呼ばれる形式で、いわゆる「三曲合奏」の地唄とは違い、三味線と唄だけで演奏され、曲も短い。歌詞は、初春の景物を擬人的、点描的に描き、古語の中にさりげなく俗語なども交え、粋な情緒を醸し出している。