世界

歌詞

逢い見ての  後(のち)とは 言わで今ここで

誰も廓のさと言葉 つい夕月とさし向かい

不粋と振るを引き止めて 漏らさぬ松の太夫職

新造のりじゃ 間夫と客

柳は糸にささがにの もつれもつれし口舌さえ

溶けて開けし さらば垣

人目を包む編笠の 茶屋や揚屋の格子先

素見ぞめきか むくどりか

拗ねて見返る端女郎衆

出口にあらぬ うちこみし

みな竹川は瀬となりて ここに淵なす色世界

張りと意気地の伊達くらべ

解説

作詞作曲者不詳 上方端唄

世界とは、廓の世界のこと。「さらば垣」「出口(柳)」等の歌詞からこの曲のは、

京島原を舞台としている。江戸時代の島原遊郭の往来の賑やかさ、

男女の遣り取りが生き生きと描かれている。

繁盛と伊達ぶりをうたいながらも、そこはかとない虚しさが漂う。

参考資料

日本舞踊曲集成