滝づくし

歌詞

雲井にさらす布引きの 滝つ瀬も越す 五月雨に 
いずれあやめか 顔佳花 引く手あまたの身なれども 
いなにはあらぬ有馬山 西にも名のみ揚巻や 
鼓の滝のその音は 絶えずとうたり 
翁が滝の 面や箕面 裏見なる 
それは東路日の光 月に玉敷く 嵯峨野の露や 
戸無瀬に落つる大堰川 下す筏に降る雪は 散り交う花と見まがいて 
山静かなる峰の雪 豊かに積もる養老の なおも齢を増す泉

解説

小野村検校(1778年登官)作曲・錺屋治郎兵衛作詞
→※二上りのため

地歌筝曲。作曲は小野村検校(オノムラケンギョウ)。
作詞は、錺屋治郎兵衛(かざりやじろべえ)。
曲名の通り、古今東西の名瀑を唄に読み込んでいる。一見、滝を紹介するだけの内容のようであるが、
その実、京から東国へ行き、齢を重ねる傾城の心情が唄われている。

また、づくし物の一つで、お祝いの時に舞われる。
 三味線長唄物として長唄四十番のうち第5番の曲であるが、
現代は「雲井にさらす布引の~」の歌詞より普通の地歌形式で行なわれ、
前半部分の長唄の味のある部分は割愛されることが多い。


【参考資料】

https://www.jiutamaifukyu.jp/?p=396
https://idolapedia.sakura.ne.jp/cgi-bin/song.cgi?mode=text&title=%91%EA%82%C3%82%AD%82%B5
https://shakuhachi-genkai.com/analysis/analysis04-takidukusi.html